(1) 現在の日本経済の景気は何とか持続しているようだが原油高やサブプライム問題の影響が影を落としはじめている。来年の春にかけてサブプライムの余波が更に拡大するようであれば、米国の景気低迷も加わって採用環境全体にマイナスの影響が出てくる可能性がある。
(2) 新卒採用に関しては、前年同様に現在のところ各企業とも採用人員の拡大及び その確保に力を注いでいる。既に大学3年生の就職活動は実質的にスタートした状況にある。おそらく前年同様に来年4月前後に内定が出始めることを予測すれば、年内から年明けにかけて企業説明会が積極的に開始される流れは間違いない。ただ最終的な採用人数は来年3月あたりの原油高やサブプライム問題による日本経済の影響度合いによっては現在の計画を下回る、すなわち採用人数を絞ってくることもありうる。
(3) 中途採用に関しては、新卒同様に各企業とも全体的に人員不足で採用に積極的な状況に変わりはないが、今後の日本経済の見通しによっては多少中途採用人数を絞り込むか、よほど納得する人材でなければ採用しない企業が出てくるものと予想される。最もアジアの中でも来年8月に北京オリンピックを控えた中国とのビジネスを中心に展開している企業に関しては採用拡大は続くものと思われる。またグローバルにビジネスを展開している輸入関連企業も円高によるプラス効果で中途採用に対しては積極的な姿勢を保つであろうと思われる。総じて、中途採用自体は、基本的に即戦力を期待しての採用であるから引き続き企業側の需要が急に冷え込むことはないと想定されるが企業側の採用に対するハードル(採用条件)はますます厳しくなっていく方向は間違いないものと考えられる。したがって、今後転職を考えている方は”企業側の求人(ポジション)ニーズにマッチした即戦力”が評価されないと転職活動がスムーズに展開しなくなることを自覚して臨んでほしい。
  − 2007年10月31日 −
− 2007年4月27日 −

(1) 全体的に企業の採用に対する意欲は昨年に引き続いて拡大傾向にあり、新卒採用及び中途採用の2本立てで人材確保への注力姿勢は今年の下期にかけても衰えることはないものと考えられる。
(2) 新卒採用に関しては、既に大学4年生への企業からの内定がゴールデンウィーク前後にほぼ出揃ったようだが、今年は優秀な人材ほど3〜5社の内定獲得が一般的となっている。企業側も6月以降の内定者からの辞退はそれほど多くはないとは想定しているようだが、内定を出した人数が採用予定枠を満たさない企業に関しては秋頃まで新卒採用を引き続き実施する見通しである。したがって、企業によっては採用担当者も秋の声を聞くまでは来年入社予定の大学4年生の採用を実質的に完了できたとは言えないであろう。最もその頃には現在の大学3年生に対して新たな採用活動が始まり、どの企業においても新卒採用担当者にとっては1年を通じて採用活動に追われる多忙な日々が続きそうである。
(3) 新卒採用で、就職先の決まった大学4年生はかっての1990年前後のバブル期入社世代を彷彿させるものがあり、何社からも内定をもらった学生が自らの能力を拡大解釈して勘違いを起こさないことを祈ると同時に、バブル期に大量採用された世代(現在40歳前後)が企業の中で能力面での玉石混交が明確になりつつあり、企業によっては貢献しないものは近い将来のリストラ予備軍に既にカウントされている状況を真摯に把握すべきであろう。
(4) 中途採用においては、失業率は3%代に改善されて景気拡大の中で一部リストラ(早期退職制度)を進めている企業は存在はするが、中途採用枠を拡大している企業が大勢を占めると言えよう。特に景気拡大の波に乗って業容拡大する企業にとっては即戦力となる人材を外部から迎え入れようとする傾向はもはや一般化しており、「転職」に対するイメージも今では過去の否定的な見方から肯定的に受け入れる流れに完全に切り替わったと言っても過言ではない。特に新卒採用で思うように人数確保ができていない企業は中途採用でその不足枠を補充しようとする流れが金融業界を中心に出てきている。(経済財政諮問会議が「日本21世紀ビジョン」で2030年までに目指す日本の将来像の中で”2転職4学習社会”という 概念が提示されており、ビジネスパースンが生涯で2回は転職する可能性を示唆している。)
(5) 中途採用においては、最近は「出戻り社員」すなわち一度外部に転職して再び元の企業に戻る社員が一般化してきており、外の企業でいわゆる自らを”磨いて”きた人材を再び雇用することにより元々企業の内部に通じているので即戦力として再活用することは確かに企業側にとっても意義があると思われる。最も、企業文化にもよるがこうした「出戻り社員」を受け入れる度量や文化(カルチャー)が企業側に基本的にないと「出戻り社員」も戻ったは結果的に良いが思うように実力を発揮することは困難であると考えられる。
(6) 現在の中途採用において、企業側は採用にいくら意欲的であっても優秀な人材ほど新卒採用と同様に数社から内定をもらう傾向が出てきており、内定辞退が続出するケースが顕著に出てきているようだ。要は採用したい人材が優秀であればあるほど企業もその確保に困難を来たしているのが実状である。企業側の中途採用水準も年々上がってきており採用レベルを妥協してまで中途採用することはなくなっている一方で、採用したい人材が内定後に辞退する傾向は今後も残念ながら増加するであろうと想定される。最も内定辞退の背景には内定をもらった別の企業を選択する場合のみならず、内定を獲得しながらも現在勤務する会社に慰留されて最終的に転職を断念するケースも出てきている。成果主義が浸透している中で景気も手伝ってか優秀な人材ほど企業の中で大切にされる方向にあるので優秀であればあるほど自ら転職に動く可能性が減ってきているのかもしれない。


 
− 2006年10月31日 −

(1) 世界的に景気回復基調の中で日本の上場企業の2007年3月期連結経常利益が4期連続して過去最高を更新する見通しである。特に製造業を中心として利益が上昇している中で、全体的に企業の新卒及び中途採用両方がに拡大傾向にある。今年から来年にかけては新卒及び中途採用共に引き続きヒートアップしていくであろう。
(2) 中途採用に関しては景気が良くなり企業においても成果主義が定着しつつある中で、優秀な人材ほど優遇されているので、優秀であればあるほど企業側が引き留め工作に奔走する傾向にある。採用を予定している企業側としては採用水準を下げてまで人材レベルに妥協することはなくなってきている一方で、優秀な人材ほど余程関心のあるポジションでなければ転職に前向きにならなくなってきている状況が顕著になってきており、企業側が思うような人材の確保に苦戦しているのが実状と言えよう。
(3) 2007年春の大卒採用内定者数は前年比で13.3%増となり、3年連続で上昇傾向が続いている。新卒採用に関しては、昨年同様に大学3年生の就職活動がこの10月には既にスタートを切っており、昨年よりもやや早めに採用の流れも移行し、来年のゴールデンウィーク前には各企業共に内定をほぼ出し終えることが予想される。しかしながら、景気の拡大に伴い新卒の求人数の急激な拡大増にあやかってか、数社からの内定をもらう学生がもはや一般的となりつつあるために、企業の人事部も採用予定数の確保及び内定辞退者の続出に来年の秋頃までは頭を痛め続ける事となろう。
(4) 20代後半から30代前半にかけて就職氷河期に遭遇して新卒の就職がうまくいかなかった世代が「リベンジ転職」と称して、最近拡大する中途採用の波に乗り新卒の際に希望していた職種や業種にチャレンジする動きが出てきている。一方で、新卒で入社3年以内に会社を離れてしまう傾向は退社していく社員及び企業双方にとって残念なことであるが、ここ数年における企業の新卒採用の拡大及び景気上昇に伴う賞与を含めた年収アップや処遇の改善等が良い方向に影響して新卒で入社後に短期間で退職してしまう傾向にはやや歯止めがかかるものと思われる。
(5) 成果主義の影響のみならず業種や職種によって20代後半から40代にかけて年収の格差が目立ってきている。日本企業で比較しても30代後半のある業種の営業マンで年収が400〜500万円レベルの方がいれば、同じ30代後半で別の業種のマーケティングのポジションで1,500万円〜2,000万円に近い年収を取っている方も存在して年収面における”格差社会”の本格的到来を感じさせる。


 
− 2006年4月23日 −

(1) 株価は今や1万7千円台をうかがう状況になり景気回復が本物であることが一般的に浸透しつつある。こうした景気上昇ムードに後押しされてか各企業とも軒並み新卒及ぶ中途採用の拡大方向に動いている。したがって企業の中途採用ポジション数が増えすなわち転職する機会が拡大していることを考えれば転職にはまさに絶好の時期が到来したと言っても過言ではないであろう。
(2) 特に不良債権に目途がついた日本の銀行をはじめとする金融機関は新卒のみならず中途採用拡大にも力を入れつつあり金融のみならず全業種を通じて新卒・中途共に優秀な人材の争奪戦が始まりつつある。特に金融機関が中途採用に力点を置き始めた流れから外資系金融機関から日本の金融機関にUターン転職する方も出てくるものと思われる。
(3) 来年度の新卒採用に関しては各企業とも軒並み2007年入社予定の募集人員枠を増やしていることから内定を昨年よりも早いペースで出しており5月のゴールデンウイーク前後までにはほぼ内定が一段落する見通しである。1990年前後のバブル期以来となるが数社から内定をもらえる学生も今年は珍しくはなくなるであろう。昨年に比して募集枠に内定数が達しない企業が相当数出てくると思われるので秋期に追加募集を行うか通年採用を行う企業は一般的になるものと予想される。
(4) 中途採用に関しては人材サーチ(スカウト)会社からの視点で考えれば、今後ますます求人ポジション数が増加傾向にある一方で現在のように景気が上向いた状況下では、優秀な人材は現在の職場でかなり優遇されており、したがってそうした人材の中で転職を自ら積極的にアプローチされる方は減少してくるものと思われる。登録型の人材紹介会社や大手転職サイトが新規登録を促すPR(広告宣伝)に最近とみに力を入れているのにはこうした背景もあるようだ。


 
− 2005年10月31日 −

(1) 株価が14,000円前後を推移する中で景気上昇ムードが高まり企業の人材獲得意欲はビジネス拡大基調の中で非常に旺盛になってきている。都市銀行が中途採用を復活させたのが話題になっているが大企業から中小(ベンチャー)企業にいたるまで押しなべて転職には好環境が到来したと言って過言ではないであろう。人材流動化は来年にかけてますます加速傾向にあると言えよう。
(2) しかしながら、あらゆる業界で勝ち組負け組の明暗が明確化しており、トヨタに代表される好景気の自動車業界においても富士重工のように人員削減を打ち出す企業も出てきている。今後は、会社の吸収合併や統合も更に増加すると予想され、その影響で例え上昇ムードの業界であっても早期退職制度に代表されるリストラを行う企業も同時に出てくると考えられる。
(3) 来年度の新卒採用に対しても企業は積極的であり軒並み採用予定人数の増加傾向にある。従ってかってのバブル期を彷彿させるように学生が数社から内定をもらい入社する企業を選ぶような現象が起きると想定される。まさに90年代後半から続いていた就職氷河期は解消方向にあると言えよう。
(4) 中途採用及び新卒採用が両方共に拡大する中で中途採用で思うような結果が出ていない企業では新卒採用に重点をシフトして3年間で3割辞めてしまうと言われている新卒でも長期的観点から力を入れていく企業も出てきている。


 
− 2005年4月30日 −

(1) 景気は現在曲がり角にあると言われているものの、景気の上昇基調はアジア経済の堅調な発展に支えられて暫くは順調に推移すると考えられる。業種にもよるが、企業の採用意欲は全般的に前向きで、当面は、新卒・中途採用共に拡大傾向が続いていくものと思われる。
(2) 中途採用に関しては、業種を問わず大企業から中小企業に至るまで積極的な拡大傾向にある。しかしながら、企業側からの求人レベルは年々高まってきており、採用にあたっては人材の質に対する妥協はなくなってきている。従って、企業側が人材を増やしたくともなかなか増やせないといったジレンマが当面続くものと考えられる。
(3) 来年度の新卒採用に関しては、このゴールデンウイーク明けに大企業を中心として大きな山はほぼ越える見通しである。ここ1、2年で、企業側の面接は4月にピークを迎え、ゴールデンウイーク明けにほぼ終了するといった流れが定着してきている。
(4) 企業側が中途採用で思うように人材を獲得できないジレンマの中で、即戦力になるまでにはどうしても時間がかかるものの長期的な観点から新卒採用に重点をシフトして会社の将来を見据えた人材育成を考える企業が今後増えてくるものと思われる。


 
− 2004年10月29日 −

(1) 日本の景気は今後の見通しに関しては賛否両論あるものの順調に推移しており、企業の採用状況は新卒・中途採用共に基本的に前年度比横ばいか拡大基調にある。横ばい基調にある企業でも中国の経済発展に支えられて本年12月頃における収益見通しによっては更なる拡大路線に変えることも検討している。
(2) 中途採用に関しては、求人数が増加傾向にあるが逆に採用基準はますますレベルアップしつつある。人手不足の企業でも正社員の採用基準は以前よりレベルアップしているのが実状であり、急場しのぎの即戦力として派遣社員や契約社員で当面まかなう体制をとっている企業もある。
(3) 今年は10月前後に公開ラッシュがあり、店頭やマザーズに公開するベンチャー企業が急に増加したが、起業の流れは日本にもようやく定着しつつあると言える。ベンチャー企業が今後人材マーケットにおける受入れ求人数を増やしてくれることであろう。
(4) 新卒採用の今後の流れは昨年と大きく変わらない見通しである。10月頃から各企業は自社の採用ホームページを開設して来年の2月から3月頃に会社説明会と同時にエントリーシートの提出を考えており、更に来年の4月から5月にかけて面接を経て内定に至る流れになると思われる。


 
− 2003年4月30日 −

(1) 日本の景気回復傾向が顕著になるにつれて今年は企業全般に新卒採用及び中途採用の拡大傾向が期待される。イラクの問題が不安定要因ではあるが、日本に進出してくる外資系企業が今年の下半期にかけて徐々に増えてくると想定される。日本への進出を伺っていた英国最大のスーパーであるTESCO(テスコ)が関連会社を通じて日本への進出を始めたのは注目すべき最近のニュースである。
(2) 景気が良い業界でも、勝ち組と負け組の格差ははっきりしてくると考えられる。特に自動車業界におけるトヨタ自動車と三菱自動車との差異が明確であるように、業界別よりも企業別に景気動向を確認していく必要がある。
(3) 中途採用に関しては、景気回復に伴う拡大スピードに対応するために、即戦力としてのニーズがより一層求められるようになる。いかに即戦力として活躍できるかを的確にアピールできるかが、中途採用の鍵を握る。
(4) 新卒採用に関しては大企業を中心として全体的にゴールデンウイーク前後にほぼ収束を迎えつつある。私が20年ほど前に新卒で内定をもらったのが大学4年生の10月前後であることを考えると、約半年ほど内定時期が早まっていることとなる。大学3年生の秋頃からの就職活動は学生としての重要な時期をつぶすこととなり、再び就職協定の復活に関しての議論が早晩再燃するのではないかと思われる。


 
− 2003年10月30日 −

(1) 景気は、徐々に回復ムードにあり業界(業種)というよりも企業によって「勝ち組」「負け組」が鮮明になりつつあります。
企業規模に関わらず、大企業からベンチャー企業に至るまで「勝ち組」に入っている企業においては、来年にかけて中途採用のニーズが増加していくと考えられます。
(2) 金融機関、特に都市銀行を中心にリストラが進む中で人材の流動化でますます進んでいくと思われます。
1990年代の米国の影響もあるかと思いますが、金融以外の大企業でも体力に余裕のある時期にリストラを先行させて企業体質の健全化に努める流れが日本でも一般的になると想定されます。
(3) 最近の話題としては、“りそな”を始めとする都市銀行の大規模な人員削減や“ソニー”の人員削減計画が挙げられます。 大企業への「寄らば大樹」の時代はもはや終焉したと言えます。
また、市場としては中国とのビジネスが鍵を握ると考えられますので、中国市場にからむポジションでの中途採用のニーズが一段と増えていくことでしょう。


 
− 2003年 4月22日 −

(1) 現在の転職市場は、採用(決定)のハードルが徐々に高くなりつつあると言える。
求人側は、本当に納得する候補者が出てくるまで待とうという姿勢にある。
(2) 不況下でも、全体的に求人(ポジション)数はやや減少気味ではあるが大きくは変わっていないと思われる。
もちろん求人業界・職種において介護ビジネスに代表されるように成長著しい分野において求人増が片寄る傾向にはある。例えば求人雑誌「B-ing」の厚みがそれほど変わっていないことからも、求人自体は大きくは減っていないことが把握できよう。
(3) 分野別に見た場合、金融及びIT業界の求人(ポジション)数が減少傾向にはある。
IT業界と言っても、情報・通信分野を広くカバーする領域であるが、ただし職種別に見ると、コンサルタント・営業・エンジニア等に関しては求人は大きくは減っていない。金融業界に関しては、ピンポイントな欠員補充以外は全般的に低調である。
(4) 転職した場合の年収も現状維持から1、2割アップが妥当な水準であり、年収アップは入社後の実績を見てから検討するといった傾向が強い。
(5) 総じて、現在の転職市場を鑑みるに、日頃から自分の売りすなわち専門性を意識して、他社でも即戦力として通用する実務能力を磨いておくことが、転職をスムーズに運ばせる秘訣と言えよう。